【医師監修】さい帯とは?役割からさい帯血バンクの必要性までわかりやすく解説

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「さい帯」と「へその緒」は同じもの?出産を控え、さい帯の役割や「さい帯巻絡」などのトラブルについて不安を感じていませんか。また、よく耳にする「さい帯血バンク」について、必要性や費用がわからず悩んでいる方も多いでしょう。この記事では、さい帯が持つ赤ちゃんへの栄養補給といった基本的な役割から、出産時の注意点、そして再生医療の鍵となる「さい帯血」の価値までを網羅的に解説します。結論として、さい帯血は白血病などの治療に貢献する可能性があるため、公的・民間さい帯血バンクの仕組みやメリット・デメリットを正しく理解し、ご家庭に合った選択をすることが重要です。この記事を読めば、さい帯に関するあらゆる疑問が解消され、安心して出産に臨むための知識が得られます。

目次

さい帯とは 赤ちゃんとママをつなぐ命綱

さい帯とは、妊娠中のママのお腹の中で、赤ちゃんと胎盤をつなぐ管状の組織のことです。一般的には「へその緒」として広く知られています。この管を通して、赤ちゃんはママから生きるために必要な酸素や栄養を受け取り、不要になった老廃物をママに返すという、まさに「命綱」としての重要な役割を担っています。

さい帯は、平均して長さが約50cm〜60cm、太さは約2cmほどですが、個人差があります。出産後、赤ちゃんが自力で呼吸を始めるとその役目を終え、切断されます。この切断された跡が、私たちのおへそになります。

へその緒との違い

「さい帯」と「へその緒」という2つの言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これらは呼び方が違うだけで、指しているものは全く同じです。医学的な専門用語として「さい帯(臍帯)」が使われるのに対し、「へその緒」は日常的に使われる一般的な呼称です。

医療従事者との会話や公的な書類では「さい帯」という言葉が使われることが多いため、妊娠・出産を控えている方は覚えておくとスムーズです。

呼称主な使われ方意味
さい帯(臍帯)医学用語、専門用語赤ちゃんと胎盤をつなぐ管状の組織
へその緒一般的な呼称、日常会話

さい帯の構造 3本の血管が通っている

さい帯は、ただの管ではありません。その内部には、赤ちゃんにとって非常に重要な3本の血管が通っています。具体的には、1本の「さい帯静脈」と2本の「さい帯動脈」です。これらの血管は、「ワルトン膠質(こうしつ)」と呼ばれるゼリー状の物質によって保護されています。このワルトン膠質がクッションの役割を果たすことで、赤ちゃんがお腹の中で動いても、血管が圧迫されたりねじれたりするのを防いでいます。

それぞれの血管が担う役割は、次のようになっています。

血管の種類本数血液の流れ主な役割
さい帯静脈1本胎盤 → 赤ちゃんママから酸素と栄養素が豊富な血液を赤ちゃんに送る
さい帯動脈2本赤ちゃん → 胎盤赤ちゃんから出た二酸化炭素や老廃物を含む血液を胎盤に戻す

このように、さい帯は非常に合理的で精巧な構造をしており、妊娠期間中、絶え間なく赤ちゃんの生命活動を支え続けているのです。

さい帯が果たす重要な3つの役割

さい帯(へその緒)の重要な役割 さい帯 ママ (胎盤) 赤ちゃん 酸素・栄養を届ける 二酸化炭素・老廃物を回収 ママの血液から届けられるもの 酸素 ブドウ糖 アミノ酸 ビタミン ミネラル

さい帯は、お腹のなかの赤ちゃんとママをつなぐ単なる管ではありません。胎盤と連携し、赤ちゃんの生命を維持し、健やかな成長を支えるための極めて重要な役割を担っています。妊娠期間中、赤ちゃんが自力で呼吸や食事、排泄ができない代わりに、さい帯がそのすべてを代行しているのです。ここでは、さい帯が持つ3つの重要な役割について詳しく解説します。

赤ちゃんへ酸素と栄養を届ける

お腹のなかの赤ちゃんは、肺で呼吸をすることができません。そのため、生きていくために必要な酸素は、すべてママの血液から供給されます。ママの血液は胎盤でろ過され、酸素と、成長に不可欠なブドウ糖・アミノ酸・脂質・ビタミン・ミネラルといった

妊娠中や出産時に起こりうるさい帯のトラブル

赤ちゃんとママをつなぐ大切なさい帯ですが、妊娠中や出産時にトラブルが起こる可能性もゼロではありません。しかし、その多くは事前に超音波(エコー)検査で兆候がわかったり、分娩時に医師や助産師が迅速に対応したりすることが可能です。代表的なトラブルを知っておくことで、過度に不安になることなく、万が一の際に落ち着いて行動できるでしょう。ここでは、主なさい帯のトラブルについて解説します。

さい帯巻絡 赤ちゃんの首に巻きつくこと

さい帯巻絡(さいたいけんらく)とは、さい帯が赤ちゃんの体の一部に巻きついてしまう状態のことです。首に巻きつくイメージが強いかもしれませんが、手足や胴体に巻きつくこともあります。

さい帯巻絡は、妊婦健診の超音波検査で確認されることもあり、全分娩の約20〜30%にみられる比較的頻度の高い現象です。その主な原因は、赤ちゃんが子宮の中で活発に動き回ることによるものです。

多くの場合、巻きつきは緩やかで、さい帯の中の血流が妨げられることはありません。そのため、さい帯巻絡が確認されても、それ自体が出産に大きな影響を与えることは少ないとされています。ただし、分娩が進行する過程で巻きつきが強くなり、赤ちゃんの心拍数に変化が見られる場合は、分娩を速やかに進めるための処置や、緊急帝王切開が検討されることがあります。

さい帯下垂とさい帯脱出

さい帯下垂(さいたいかすい)とさい帯脱出(さいたいだっしゅつ)は、どちらもさい帯が赤ちゃんより先に子宮口の近くまで下りてきてしまう状態ですが、発生するタイミングと緊急度が異なります。

さい帯下垂は、卵膜(赤ちゃんを包む膜)が破れていない(破水していない)状態で、さい帯が赤ちゃんの先進部(頭や足など)より下に位置することです。一方、さい帯脱出は、破水した後に、さい帯が赤ちゃんより先に腟内や体の外に出てきてしまう状態を指します。

特にさい帯脱出は、赤ちゃんの体と産道(骨盤)との間にさい帯が挟まれて圧迫され、赤ちゃんへの酸素供給が絶たれてしまう極めて危険な状態です。これは産科の中でも最も緊急性の高い状況の一つであり、迅速な対応が求められます。発生頻度は非常に稀ですが、万が一、破水した際に何か紐のようなものが外に出てきた感覚があった場合は、すぐに救急車を呼び、医療機関へ連絡してください。

さい帯下垂さい帯脱出
定義赤ちゃんより先にさい帯が下がっている状態赤ちゃんより先にさい帯が腟内や体外に出てくる状態
タイミング破水する前破水した後
危険度注意深い経過観察が必要極めて緊急性が高く、直ちに医療介入が必要
主な対応帝王切開が検討される緊急帝王切開

さい帯の長さによる影響

さい帯の長さには個人差があり、平均的には約50〜60cmとされています。この長さが極端に長かったり短かったりすると、分娩に影響を与える可能性があります。

さい帯が70cm以上あるような「過長さい帯」の場合、赤ちゃんが動き回るスペースが広いため、さい帯巻絡や、さい帯に結び目ができる「さい帯結節(さいたいけっせつ)」、さい帯下垂などのリスクが少し高まると言われています。

逆に、さい帯が35cm未満の「過短さい帯」の場合は、赤ちゃんの下降が妨げられたり、分娩時にさい帯が強く引っ張られることで胎盤が剥がれてしまう「常位胎盤早期剥離」のリスクが懸念されたりします。

ただし、さい帯の長さを妊娠中に正確に測定することは困難です。妊婦健診では、胎児の発育や胎動、心拍数などを継続的にモニタリングすることで、さい帯の血流に問題がないかを確認しています。分娩中も赤ちゃんの心拍数を常に監視し、何らかの異常のサインが見られた場合には、速やかに適切な処置が行われるため、過度に心配する必要はありません。

さい帯を切るタイミングとその方法

赤ちゃんが無事に生まれると、赤ちゃんと胎盤をつないでいたさい帯は役目を終えます。このさい帯をいつ、どのように切るのかは、赤ちゃんのその後の健康にも影響を与える大切な処置です。かつては生まれてすぐにさい帯を切るのが一般的でしたが、近年ではそのタイミングが見直されつつあります。

出生後すぐに切らないメリット

最近、世界保健機関(WHO)も推奨しているのが「遅延臍帯結紮(ちえんさいたいけっさつ、Delayed Cord Clamping: DCC)」という方法です。これは、赤ちゃんが生まれた後、すぐにさい帯を切るのではなく、さい帯の拍動が自然に止まるのを待ってから(通常1〜3分後)、切断する方法を指します。なぜ少し待つことが推奨されるのでしょうか。それには、赤ちゃんにとって大きなメリットがあるからです。

最大のメリットは、さい帯の拍動が続いている間に、胎盤に残っている血液(さい帯血)が赤ちゃんへと十分に移行することです。この血液には鉄分が豊富に含まれており、赤ちゃんが十分な量のさい帯血を受け取ることで、生後の鉄欠乏性貧血のリスクを大幅に減らすことができます。特に生後6ヶ月頃までは母乳だけでは鉄分が不足しがちになるため、出生時に蓄えられた鉄分は赤ちゃんの健やかな発育にとって非常に重要です。

遅延臍帯結紮のメリットと、注意すべき点をまとめました。

項目内容
メリット
  • 鉄分の貯蔵量が増え、乳児期の鉄欠乏性貧血を予防する
  • 赤ちゃんの循環血液量が増加し、血圧が安定する
  • 特に早産児において、脳室内出血などのリスクを低減する
  • 輸血の必要性が減少する
注意点(デメリット)
  • 赤血球が多くなることで、光線療法が必要な「黄疸(おうだん)」のリスクがわずかに上昇する可能性がある
  • 出生直後に赤ちゃんの蘇生処置が必要な場合など、医学的な理由で実施できないことがある

ただし、黄疸のリスクについては、ほとんどが光線療法で安全に治療できる範囲であり、重篤な後遺症につながることは稀です。多くの産院で遅延臍帯結紮が導入されつつありますが、希望する場合は事前にかかりつけの産院に方針を確認しておくとよいでしょう。

さい帯の切り方と処置

さい帯を切る処置は、医師や助産師によって慎重に行われます。まず、さい帯の拍動が停止したことを確認した後、赤ちゃん側とお母さん(胎盤)側の2箇所を「鉗子(かんし)」と呼ばれる医療器具や、専用の「さい帯クリップ」でしっかりと挟みます。これをクランプと呼びます。

次に、クランプした2箇所の間を、滅菌された医療用のハサミで切断します。さい帯には神経が通っていないため、切断する際に赤ちゃんやママが痛みを感じることはありませんので、安心してください。産院によっては、記念にパパがさい帯を切る「立ち会いカット」をさせてもらえることもあります。

切断後、赤ちゃんのおへそには数センチのさい帯がクリップで留められた状態で残ります。これが一般的に「へその緒」と呼ばれる部分です。このへその緒は、生後1〜2週間ほどで自然に乾燥し、黒っぽくミイラ化してポロリと取れます。取れるまでの間は、感染を防ぐために清潔に保つことが大切です。消毒などのケア方法は産院によって方針が異なるため、入院中や退院時に助産師から受ける指導にしっかりと従いましょう。

さい帯から採取できる「さい帯血」とは?

さい帯血(へその緒の血液)の可能性 さい帯血 (幹細胞の宝庫) 造血幹細胞 血液の成分をつくる 血液疾患の治療 白血病・再生不良性貧血 免疫不全症など 間葉系幹細胞 骨・筋肉・神経になる 再生医療への応用 脳性麻痺・脳障害 軟骨の修復など(研究段階含む)

さい帯(へその緒)と胎盤の中に流れている血液のことを「さい帯血」と呼びます。これは、お腹の中にいる赤ちゃんに栄養や酸素を届けるために使われていた血液で、出産時にしか採取できない、赤ちゃんの生命力にあふれた貴重な血液です。

通常、出産後にはさい帯や胎盤と一緒に処分されてしまいますが、このさい帯血には体の様々な組織の細胞になる能力を持つ「幹細胞」が豊富に含まれており、医療の世界で非常に重要な役割を担っています。

さい帯血に含まれる幹細胞の働き

さい帯血がなぜこれほどまでに注目されているのか、その理由は「幹細胞」の存在にあります。特に重要なのが「造血幹細胞」です。

造血幹細胞とは、赤血球、白血球、血小板といった血液のすべての成分を作り出すもと(大元)になる細胞です。正常な造血幹細胞を移植することで、病気になった血液の細胞を新しく健康なものに入れ替える治療(造血幹細胞移植)が可能になります。

また、さい帯血には骨や軟骨、神経、筋肉などの細胞に変化する能力を持つ「間葉系幹細胞」も含まれており、こちらは再生医療の分野での応用が期待され、世界中で研究が進められています。

さい帯血で治療が期待できる病気

さい帯血に含まれる造血幹細胞を移植することにより、白血病などの血液疾患をはじめ、さまざまな難病治療の切り札として活用されています。骨髄移植と同様の治療法ですが、さい帯血移植は拒絶反応のリスクが比較的低いというメリットがあります。

現在、公的さい帯血バンクのさい帯血を用いて治療対象となっている代表的な病気は以下の通りです。

病気の種類代表的な疾患名
血液疾患(悪性)急性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫など
血液疾患(非悪性)再生不良性貧血、ファンコニ貧血、サラセミアなど
先天性免疫不全症重症複合免疫不全症、ウィスコット・オルドリッチ症候群など
先天性代謝異常症ゴーシェ病、ムコ多糖症、副腎白質ジストロフィーなど

これらの病気以外にも、さい帯血は再生医療や遺伝子治療への応用も期待されており、脳性麻痺や低酸素性虚血性脳症といった脳の障害に対する臨床研究も進められています。さい帯血は、未来の医療を切り拓く可能性を秘めた、まさに「命の贈り物」なのです。

さい帯血バンクの必要性と種類を解説

さい帯血には、赤ちゃんの将来を救う可能性を秘めた「造血幹細胞」が豊富に含まれています。この貴重なさい帯血を、将来の病気の治療に役立てるために保管しておく仕組みが「さい帯血バンク」です。さい帯血バンクには、目的や仕組みが異なる「公的さい帯血バンク」と「民間さい帯血バンク」の2種類が存在します。それぞれの特徴を理解し、ご家庭の方針に合った選択をすることが大切です。

公的さい帯血バンクとは

公的さい帯血バンクは、第三者の治療のためにさい帯血を無償で「寄付」するための機関です。寄付されたさい帯血は、白血病などの血液疾患をはじめとする、造血幹細胞移植を必要とする患者さんのために使われます。厚生労働省の認可を受けた全国6つのバンクが「日本さい帯血バンクネットワーク」を組織し、さい帯血の品質を厳格に管理しながら、公平に患者さんへ提供しています。

寄付の仕組みと費用

公的さい帯血バンクへの寄付は、提携している産科施設でのみ可能です。出産時に採取されたさい帯血は、品質基準を満たしているかどうかの検査を経て、基準をクリアしたものだけがバンクに登録・保管されます。寄付にあたって、採取や保管にかかる費用は一切ありません。ただし、すべての産科施設が提携しているわけではないため、希望する場合は事前に出産予定の施設が対応可能か確認する必要があります。

公的バンクのメリットとデメリット

公的さい帯血バンクを利用する際のメリットとデメリットを以下にまとめます。

メリットデメリット
公的さい帯血バンク
  • 費用がかからずに社会貢献ができる
  • さい帯血を必要とする多くの患者の命を救う可能性がある
  • 国の基準に基づき、厳格な品質管理が行われている
  • 寄付したさい帯血を、自分や家族のために使うことはできない
  • 採取できる産科施設が限られている
  • さい帯血が基準を満たさなかった場合、保管されずに破棄されることがある

民間さい帯血バンクとは

民間さい帯血バンクは、赤ちゃん本人やその家族の将来の病気に備えて、さい帯血を「保管」しておくための私的なサービスです。「プライベートバンク」とも呼ばれ、契約者自身の費用負担によって、さい帯血を長期間にわたり冷凍保管します。将来、再生医療や細胞治療が必要になった際に、保管しておいた自分のさい帯血を活用できる可能性に備えるためのものです。

保管の仕組みと費用

民間バンクを利用する場合、まずバンクと契約を結びます。その後、専用の採取キットが自宅に送られてくるので、出産時に産科医や助産師にさい帯血を採取してもらい、専門の輸送業者を通じてバンクへ送付します。費用はバンクによって異なりますが、一般的に契約時に採取・検査・輸送などを含む初期費用として20〜30万円程度、その後は年間1〜2万円程度の保管料がかかります。

民間バンクのメリットとデメリット

民間さい帯血バンクを利用する際のメリットとデメリットは以下の通りです。

メリットデメリット
民間さい帯血バンク
  • 赤ちゃん本人や家族(兄弟姉妹など)の将来の治療のために使える
  • 拒絶反応のリスクが極めて低い自分の細胞を確保できる
  • 多くの産科施設で採取に対応している
  • 高額な初期費用と継続的な保管費用がかかる
  • 将来、必ずしも使用する機会があるとは限らない
  • 保管基準や運営体制はバンクによって異なるため、慎重な選択が必要

公的バンクと民間バンクどちらを選ぶべきか

公的バンクと民間バンクのどちらを選ぶべきか、一概にどちらが優れているとはいえません。それぞれの目的や特性をよく理解し、ご自身の価値観や経済状況に合わせて判断することが重要です。「費用をかけずに社会貢献をしたい」と考えるなら公的バンクへの寄付が、「家族の万が一の事態に備えたい」と考えるなら民間バンクでの保管が、それぞれ適した選択肢となるでしょう。以下に両者の違いをまとめましたので、選択の参考にしてください。

項目公的さい帯血バンク民間さい帯血バンク
目的第三者の治療のための「寄付」本人や家族の将来のための「保管」
所有権バンク(寄付後は提供者に戻らない)契約者(本人)
使用対象適合する不特定の患者原則として本人またはその家族
費用無料有料(初期費用+年間保管料)
対応産院提携施設のみ全国の多くの施設で対応可能

さい帯血を採取できるのは、出産時の一度きりの貴重な機会です。後悔のない選択ができるよう、妊娠中に家族でよく話し合っておくことをおすすめします。

さい帯血バンクの申し込み方法と流れ

さい帯血バンク申し込みの流れ 公的(寄付)と民間(保管)の比較フローチャート 公的バンク(寄付) 民間バンク(保管) Step 1 情報収集 提携産院か確認 院内パンフレット等で情報収集 資料請求・比較検討 費用やプランをWeb等で確認 Step 2 申し込み 産院で書類提出 健診時などに同意書を提出 Web・郵送で契約 妊娠32〜34週頃までに完了 Step 3 出産準備 特別な準備は不要 採取キット受け取り 入院時に必ず持参する Step 4 採取・回収 医師・助産師が採取 産院からバンクへ送付 持参キットで採取 専門業者が産院へ回収に来る Step 5 完了通知 お礼状等の通知 基準を満たせば寄付完了 保管証明書の発行 長期保管スタート ※民間バンクの申し込み期限は妊娠32〜34週頃が一般的です。早めに検討しましょう。

さい帯血バンクへの申し込みは、妊娠中にしかできない特別な準備です。いざという時に後悔しないためにも、事前に申し込み方法や一連の流れを正しく理解しておくことが大切です。ここでは、公的さい帯血バンクと民間さい帯血バンク、それぞれのケースを想定し、申し込みから保管・寄付完了までの具体的なステップをわかりやすく解説します。

申し込み前に知っておきたいこと

さい帯血バンクの利用を検討し始めたら、まずは基本的な情報を押さえておきましょう。特に「検討を始める時期」と「申し込み先の選定」は、スムーズな手続きのための重要なポイントです。

検討を始める時期と申し込み期限

さい帯血バンクの検討は、心身ともに落ち着いてくる妊娠中期(安定期)から始めるのがおすすめです。多くのさい帯血バンクでは、出産予定日に応じて申し込み期限を設けています。一般的には妊娠32週〜34週頃を最終期限としている場合が多いため、あまり先延ばしにせず、早めに情報収集を開始しましょう。出産が早まる可能性も考慮し、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることが肝心です。

申し込み先の選定と提携産院の確認

さい帯血バンクには、広く社会のために役立てる「公的さい帯血バンク」と、自分や家族のために保管する「民間さい帯血バンク」があります。それぞれの目的や費用、サービス内容を比較し、ご自身の考えに合ったバンクを選びましょう。

特に、公的さい帯血バンクへの寄付を希望する場合は、出産予定の産院が提携医療機関である必要があります。提携していない施設では寄付ができないため、事前に産院のホームページで確認したり、健診の際に直接医師や助産師に質問したりしておくと安心です。民間バンクの場合は、ほとんどの産院で採取に対応していますが、念のため事前に伝えておくとよりスムーズです。

【ステップ別】さい帯血バンク申し込みの具体的な流れ

さい帯血バンクの申し込みは、いくつかのステップに分かれています。以下に、一般的な流れを公的バンクと民間バンクに分けて表でまとめました。

ステップ公的さい帯血バンク(寄付)民間さい帯血バンク(保管)
ステップ1:情報収集・検討出産予定の産院が提携施設か確認します。院内に設置されたパンフレットなどで情報を得ます。各社のウェブサイトなどから資料を請求し、費用や保管内容を比較検討します。
ステップ2:申し込み・契約提携産院を通じて、健診時などに申込書や同意書を提出します。費用はかかりません。ウェブサイトや郵送で申し込み手続きを行います。契約内容を確認し、申込金や保管費用などを支払います。
ステップ3:出産準備基本的に産院側で採取の準備がされているため、妊婦さん自身での特別な準備は不要です。契約後に自宅へ送られてくる「さい帯血採取キット」を受け取り、出産時に産院へ持参します。
ステップ4:出産当日の採取・回収出産後、医師または助産師がさい帯血を採取します。その後は産院のスタッフがバンクへ送付します。持参したキットを使い、医師または助産師が採取します。採取後は、バンクが手配した専門業者が産院まで回収に来ます。
ステップ5:採取後の通知採取されたさい帯血が国の基準を満たした場合、後日「寄付をしていただいた」旨の通知(感謝状など)が届きます。採取されたさい帯血が検査基準を満たした場合、「保管証明書」が発行され、長期保管が開始されます。

ステップ1:資料請求と情報収集

まずは、興味のあるさい帯血バンクの資料を取り寄せましょう。民間バンクの場合は複数の会社から資料を取り寄せ、サービス内容や費用体系をじっくり比較検討することが重要です。資料では、初期費用や年間保管料、保管期間、万が一の際の補償内容などを細かくチェックしてください。

ステップ2:申し込みと契約手続き

申し込むバンクを決めたら、ウェブサイトの専用フォームや郵送で手続きを進めます。申込書、契約書、同意書、健康状態に関する質問票などの書類に記入・提出が必要です。特に民間バンクの場合は、契約内容や費用体系を十分に理解し、納得した上で手続きを進めることが重要です。不明な点があれば、契約前に必ず問い合わせて解消しておきましょう。

ステップ3:採取キットの受け取りと産院への連絡

民間バンクと契約すると、自宅に「さい帯血採取キット」が送られてきます。このキットには、さい帯血を採取するための専用バッグや説明書、提出書類一式が入っています。キットが届いたら、出産予定の産院へさい帯血の保管を希望する旨を伝え、採取に協力してもらえるか最終確認をしましょう。その際、出産当日にキットを持参することを忘れずに伝えてください。この事前の連携が、当日のスムーズな採取につながります。

ステップ4:出産当日の採取と回収

いよいよ出産当日。入院の際には、さい帯血採取キットを絶対に忘れないようにしましょう。陣痛が始まったら、病院のスタッフにさい帯血の採取を希望していることを改めて伝えます。

さい帯血の採取は、赤ちゃんと胎盤をつなぐさい帯が切断された後、さい帯や胎盤に残った血液を採取するものです。赤ちゃんやママに痛みや負担がかかることは一切ありませんのでご安心ください。採取は数分で完了します。採取されたさい帯血は、民間バンクの場合は専門の業者が速やかに回収し、公的バンクの場合は産院からバンクへと送られます。

ステップ5:保管・寄付完了の通知

採取されたさい帯血は、各バンクの施設へ輸送された後、細胞数や感染症の有無などを調べる厳格な検査が行われます。検査の結果、それぞれのバンクが定める基準をクリアした場合に、正式に保管または寄付が完了となります。

民間バンクの場合は、後日「保管証明書」が自宅に届き、契約期間にわたる長期保管がスタートします。公的バンクの場合は、寄付が成立したことを知らせる通知や感謝状などが送られてきます。残念ながら細胞数が基準に満たないなどの理由で保管・寄付に至らなかった場合も、その旨の連絡があります。

まとめ

さい帯は、お腹の赤ちゃんとママをつなぎ、酸素や栄養を届ける「命綱」です。妊娠から出産後まで、赤ちゃんの健やかな成長に欠かせない重要な役割を担っています。また、出産時にしか採取できない「さい帯血」には、白血病などの難病治療に貢献する幹細胞が豊富に含まれており、その価値は計り知れません。

さい帯血を社会貢献として「公的さい帯血バンク」へ寄付するのか、ご自身や家族の未来に備えて「民間さい帯血バンク」で保管するのかは、出産を控えるご家族にとって大きな選択です。どちらが良いというわけではなく、それぞれの目的やメリット・デメリットを理解した上で、ご家庭の考え方に合わせて選ぶことが結論となります。この記事を参考に、ぜひご家族で話し合ってみてください。

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